内科一般
内科は、循環器、呼吸器、消化器の他、腎臓や血液、内分泌まで幅広く対応する診療科目です。
アレルギー性鼻炎
舌下免疫療法(スギ・ダニ)
現在、アレルギー性鼻炎の治療として舌下免疫療法が注目されています。アレルゲン免疫療法は、効果が持続して自然経過の改善が期待できること、喘息などほかのアレルギー疾患の発症や新たなアレルゲンに対する感作を予防する可能性があることが明らかになっています。従来の皮下注射法に比べ、痛みもなく重篤な副作用の報告も少ない方法です。
安全性は高いとされておりますが、アレルギーの抗原を体内に入れることから、不適切な使用による副作用も考えられますので、医師の指導に従ってください。
即効性のあるものではありませんので、十分な効果がみられるまでには2年以上の治療期間が必要です。(花粉症の場合は花粉の飛散期間のみではなく、非飛散期も含めての継続が必要です)
治療の結果、効果がみられない方もいらっしゃいますが、事前にその有無を確認することはできません。
治療の流れ
血液検査が必要です。検査結果と症状からスギまたはダニのアレルギーの診断をいたします。
注意点やアナフィラキシーショックについて説明の後、初回投与はクリニック内で行います。副作用の確認のため、投与後30分は院内にてお待ちください。
翌日以降はご自宅で行っていただき、次週診察にて効果や副作用を確認いたします。それ以降は月に1回の受診を受けてください。
舌下免疫療法は保険適用となります。診察料と薬併せて3割負担で1ヶ月約3000円となります。
治療の開始時期
ダニアレルギー性鼻炎の場合
ご希望があればいつでも開始できます。
スギ花粉症の場合
舌下免疫療法を開始する時期は、6月から12月です。
スギ花粉が飛ぶ1月から5月は、治療を開始することができません。(副作用が強く出る可能性があるため)
尚、花粉の時期でも、ご相談は随時受け付けております。
以下の場合、舌下免疫療法は受けられません
- 5歳未満、または65歳以上の方
- ひどい気管支喘息がある方
- がんや免疫系の病気がある方
- 初回投与時に妊娠中の方
- 以前、舌下免疫療法で強い副作用が現れた方
- 医師が開始できないと判断された方
舌下免疫療法の詳細は下記サイトもご参照ください。
風邪
風邪は、鼻や喉に生じる感染症のことで、原因となるウィルスは、ライノウィルス、アデノウィルス、コロナウィルスなど200種類以上あると言われています。どのウィルスかによって障害の程度も変わってきます。典型的な症状としては、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、くしゃみ・せき、発熱が挙げられます。「風邪は万病のもと」とはよく聞く言葉ですが、細菌による二次感染にも気を付けなければなりません。気管支炎や肺炎、小さなお子様の場合ですと中耳炎なども心配されます。風邪には特効薬がありません。基本は自分の体の自然治癒力です。
休養、保温、栄養の3つが大切になります。日頃からうがい、手洗い、充分な睡眠、規則正しい食事を心掛けてください。
熱
人間の平熱とか発熱の目安について、まず触れておきましょう。もちろん個人差はありますが、統計上の平熱は37度をやや下回るくらいです。
感染症法という法律では、37.5度以上になると発熱、38度を超えると高熱と定義しています。熱は病気を発見する為の有力なサインですが、熱が出る原因は多岐に亘っています。小さなお子様ですと、風邪、扁桃炎、中耳炎などの他、顔に赤い発疹が現れるはしか、日射病、熱中症、法定伝染病である日本脳炎などが考えられます。大人の場合には、発熱の仕方によって病気との関係を推測することができます。
- 急な高熱・・・日本脳炎、ポリオ、結核性髄膜炎など
- 階段状に上昇する熱・・・腸チフス、肺炎、肋膜炎など
- 乱高下する熱・・・敗血症、腎盂炎、心内膜症など
- 型が決まっていない高熱・・・急性肝炎、インフルエンザ、はしかなど
微熱が長く続く時は、肺結核、腹膜炎、のどや鼻の慢性炎症、リウマチ、婦人病、更には悪性腫瘍などの疑いがあります。いずれにしても発熱が続く場合は病院での診察を受けてください。自己判断で解熱剤を 飲むのは、避けて欲しい行為です。
インフルエンザ
インフルエンザは風邪によく似た病気で、どちらもウィルスを病原としていますが、ウィルスの種類が違います。
インフルエンザはインフルエンザウィルス、風邪はアデノウィルスやライノウィルスなどのウィルスが関与しています。
インフルエンザは、風邪よりも症状が重くなる、という特徴があります。せき、喉の痛みだけでなく、40度近い高熱や頭痛、関節の痛み、強い倦怠感といった症状が全身に現れます。
ウィルスは毎年変化して新しい型が登場しますから、インフルエンザワクチンの予防注射は毎年受けておく必要があります。感染を完全に防げるわけではありませんが、症状の重篤化を抑えてくれます。毎年暮れごろから春先にかけて流行するので、その前に済ませておくのが良いと思います。注射の効果が出るのに半月くらいは必要です。効果は5か月くらい続きます。
高血圧
血圧には最高と最低の2種類があります。心臓が収縮して血液を送り出す時の圧力は最高となり、収縮期血圧と呼ばれています。一方、心臓が拡張して血液が心臓に戻ってくる時は最も低くなるので、最低血圧イコール拡張期血圧となります。家庭で測定した時で、最高135mmHg、最低85mmHg、診察室での測定では、最高140mmHg、最低90mmHgを超えると高血圧と診断されます。高血圧状態が続くと、動脈硬化から、脳出血、脳梗塞、大動脈瘤、心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まります。高血圧の原因としては、塩分の摂りすぎ、肥満、過度の飲酒、ストレス、喫煙、野菜不足、運動不足など生活習慣上の問題が密接に絡んでいます。血圧を下げる薬に頼る前に、普段の生活を見直すことが大切です。
脂質異常
血液中の脂質が基準より多い、もしくは少ない状態が脂質異常症です。具体的には、悪玉(LDL)コレステロールが140mg/dl以上、善玉(HDL)コレステロールが40mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl以上のいずれかに該当する場合、脂質異常症と判定されます。以前は高脂血症と呼ばれていましたが、善玉(HDL)コレステロールは少ない場合が異常なので、脂質異常症となりました。自覚症状がない疾患なので、サイレントキラーと呼ばれたりします。血管がダメージを受け、動脈硬化が進んで、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まります。食生活や飲酒の習慣が直接的な原因となりますが、遺伝的な要素も含んでいます。
糖尿病
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの不足によって、血液中のブドウ糖が増え、血糖値の高い状態が続く疾患です。尿の量が増える、喉が渇く、体重が減る、疲れやすいといった自覚症状が現れます。
インスリンを作るすい臓の細胞が壊れるⅠ型と、生活習慣及び加齢により、インスリンの働きが低下するⅡ型とがあります。進行すると、脳卒中、心筋梗塞、腎不全、糖尿病網膜症といった重い合併症を引き起こす可能性があります。
糖尿病はいくつかの検査数値によって判定されます。血液中のブドウ糖濃度である血糖値では、空腹時と食後2時間の数値が、それぞれ126mg/dl、200mg/dlのどちらかを超えると糖尿病型と言われます。グリコヘモグロビン(HbA1c)と呼ばれる約2か月間の血糖値の平均を示す数値では、6.5に達すると、やはり糖尿病と判定されます。糖尿病になった場合、食餌療法、運動療法、薬物療法の他、インスリン注射を行うこともあります。
痛風
突然、関節が激しく痛む病気で、痛むところの皮膚は赤くなります。足の親指の付け根に多いのですが、足首や膝、肘、指などの関節に発症することもあります。尿酸の代謝異常が原因と言われています。肉や魚、野菜 などに含まれる旨み成分であるプリン体が体内で分解されて尿酸が生成されます。この尿酸がうまく体外に排出されない状態を代謝異常と呼んでいます。痛風は、腎臓結石や心臓病などの合併症を引き起こすこともある病気です。プリン体は、お酒やレバー、エビ、いわし、かつお等の魚介類などに多く含まれるので、摂りすぎには注意が必要です。